このオプションは、断熱状態での圧力と体積の関係を指定します。
= 1であれば等温条件も適用できます。 非圧縮性のサブ体積を定義して、部分的に液体を満たした体積をモデル化できます。
一般的な式は次のとおりです。
(1)
ここで、
-
- 初期体積
-
- 非圧縮性体積
粘性
を使用して数値的振動を抑制できます。
=1の場合は、臨界減衰(シェルの質量と体積の剛性)が使用されます。粘性圧力
は次のようになります。
(2)
ここで、
-
- 繊維の質量
-
- 繊維のサーフェス
作用する圧力は
で求められます。
このタイプ特有の入力は次のとおりです:
-
-
-
-
-
排気を考慮する場合は(等エンタルピー流出の計算)、気体の初期質量も入力する必要があります。
多くの場合、このモニター体積は、タイヤ圧力または簡潔な燃料タンクのモデル化に使用します。タイヤのモデルでは
はゼロ、燃料タンクのモデルでは
は燃料の体積です。
熱力学の各種方程式
モニター体積の基本的なエネルギー方程式は次のように記述できます。
(3)
ここで、
-
- 内部エネルギー
-
- 圧力
-
- モニター体積
-
- 非圧縮性体積
-
- 流出エンタルピー
断熱条件を適用し、気体が理想気体であると仮定すると次のようになります。
(4)
は気体定数です。空気の場合は
= 1.4です。
上記の2つの方程式を使用すると、現在の体積を指定できます。これにより、エネルギーと圧力を求めることができます。
外部仕事量の変化
現在の時間ステップ
で、以下の値がわかっているとします:
-
-
-
は次のように求めることができます。
(5)
断熱条件からの外部仕事量の変化とするために、以下であるとします。
(6)
これにより、次の式が得られます。
(7)
次の定義を使用します:
(8)
これにより、外部仕事量は次のようになります。
(9)
基本原理から次のようにエネルギーを計算します:
(10)
は、
、ベントホールでの速度から推算できます。この推算については、以降で説明します。
内部エネルギーの変化
は次の式で得られます。
(11)
したがって次の式が成り立ちます。
(12)
(13)
この圧力がモニター体積に作用し、次が得られます:
- 新たな加速度
- 新たな速度
- 新たな形状
- 新たな体積
- 次のステップの評価への準備
ベント
モニター体積からの気体の排出であるベントが等エンタルピーであると仮定します。
また、流動は衝撃がなく、大容量の容器から流出し、有効表面積
の狭い開口部を通ると想定されます。
エンタルピー保存則から、ベントホールにおける速度
が導出されます。したがって、Bernouilli式は次のように記述されます。
(14)
(monitored volume)
(vent hole)
断熱条件を適用すると、次の式になります。
(15)
したがって、流出速度は次の式によって定義されます:
(16)
質量の流量は次の式によって定義されます。
(17)
エネルギーの流出速度は次の式によって定義されます:
(18)
ベントホール面積(スケールファクター面積)
は以下のように定義できます。
- 流量係数を考慮した一定面積
- 指定したサーフェスの面積に流量係数を乗算した値に等しい可変面積
- 指定したサーフェスから削除した要素の面積に流量係数を乗算した値に等しい可変面積
超音速流れ
ベント圧力
は、非衝撃流れの外部圧力
に等しい値です。衝撃流れでは、
が限界圧力
と等しくなり、
は限界圧力が上限となります。
(19)
また、
(20)
、
)
例:GASタイプ
Radiossでの用途として以下があります:
- タイヤのモデル:
- スロッシング効果を無視した場合の燃料タンクのモデル
スロッシング効果を無視した場合にのみ、GASタイプのモニター体積を使用して、燃料を部分的に満たした燃料タンク内部の圧力をモデル化できます。以下の入力を使用します:
-
= 1.4
-
-
= 105 Pa
-
= 105 Pa
-
= 燃料の体積