剛壁

Radiossでは、次の4種類の剛壁が利用可能です:
  1. 無限平面
  2. 直径がDの無限円筒
  3. 直径がDの球
  4. 平行四辺形

各剛壁は固定した壁でも移動する壁でもかまいません。

接触するセカンダリ節点のそれぞれに運動条件が適用されます。したがって、直交する方向に適用する運動条件を除き、セカンダリ節点には他の運動条件を設定できません。

固定した剛壁

固定した剛壁は、接触するすべてのセカンダリ節点に対する純運動オプションです。この剛壁は2つの点MとM1を使用して定義します。この2点によって、図 1のように法線が決まります。


図 1. 固定した剛壁の定義

移動する剛壁

移動する剛壁は、節点番号Nと点M1で定義します。これにより、図 2のように法線を計算できます。

節点Nの移動は、一定の速度または初期速度を使用して指定できます。簡素化を目的として、壁の定義の段階で初期速度と質量を指定してもかまいません。


図 2. 移動する剛壁の定義

移動する壁は、メインのセカンダリオプションです。メイン節点で各時間ステップでの剛壁位置を定義し、接触しているセカンダリ節点に速度を課します。接触しているセカンダリ節点の力はメイン節点に作用します。セカンダリ節点の力は、運動量の保存則に基づいて計算されます。接触しているセカンダリ節点の質量に比べて剛壁の質量が大きいと仮定すれば、セカンダリ節点の質量がメイン節点に伝達されることはありません。

セカンダリ節点の貫通

セカンダリ節点が貫通するかどうかを確認する必要があります。図 3 に貫通の確認方法を示します。


図 3. セカンダリ節点の貫通
貫通が発生すると、新たな速度を計算する必要があります。この新たな速度は、考えられる3つの状況のいずれかを使用して計算します。
  1. スライディング
  2. 摩擦を伴うスライディング
  3. タイド
剛壁のフェイスに沿って節点がスライドできる場合、新たな速度 V は次の式で求められます。(1)
V = V ( V n ) n

スライドする節点と剛壁との間に摩擦係数を適用できます。Interface Frictionで摩擦モデルが構築されています。

タイドとして定義した節点の場合、そのセカンダリ節点が剛壁と接触すると、節点の速度は剛壁と同じになります。その節点と剛壁は結合(タイド)されます。したがって次の式が成り立ちます。(2)
V = 0

剛壁の衝撃力

剛壁に対する節点の衝撃によって作用する力は、次のようにインパルスを計算することで求めます。(3)
I = i = I N F i Δ t = i = I N Δ m i ( V i W )
ここで、
N MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaamOtaaaa@36C9@
貫通したセカンダリ節点の数
W
剛壁の速度
次のように、インパルスが変化する速度によって力を計算できます。(4)
F = d I d t