衝突用の
Altairプリプロセッサーでは、多くのモデルチェック用のツールが統合されています。これらのツールには自動修正アルゴリズムも含まれています。モデル実行前の最も一般的なチェックは次に関連します:
- メッシュ品質
- スプリング定義
- インタフェース定義での交差と貫通
- 運動条件の非適合のチェック
- 剛体間に共通セカンダリ節点がない
- "自由"なメイン節点のみである
- 小さな剛体の球状慣性
- 質量と重心
- パートの板厚
- 初速度の値と方向
- 剛壁の法線
- 材料則: 単位系の一貫性
- 自由節点
- モニター体積:
- パート間の結合
- 結合されたパート間のメッシュサイズ
ここでは、有効なモデルを生成するためのいくつかの基本的なルールについて記述します。
メッシュ品質
有限要素のメッシュに関する推奨の内容を考慮する必要があります。シェルメッシュは可能な限り一様である必要があります。与えられた物理パートに異なるシェルの定式化を用いることは推奨されません。非常に細かいメッシュに対しては、完全積分要素または物理安定化法の使用を推奨します(/PROP/SHELL)。三角形シェルは避けるべきです。メッシュの難しさによりメッシュに3角形が含まれる場合、パートごとにその数が 5% 以下になるように減らすことが推奨されます。
スプリング定義
物理的ではない、または定義が不正確なスプリングは衝突モデルにおける一般的な問題です。スプリングのプロパティは質量、慣性、剛性と長さに関して一貫している必要があります。実際にスプリングは物理的な挙動をする必要があります:
- 1次元バー上の質量分布に関しては、慣性にはその上限と下限があります: (1)
その下限は一様に分布した質量のバーの慣性です。上限は両端に質量m/2を持つバーの慣性です。スプリングはボルトやスポット溶接のモデル化にも使用されるため、これらの制限を超え、以下のように書くこともできます:
(2)
- スプリングの断面積は、
または
のいずれかで計算することができます。計算された2つの値の比が100を超える場合、その非一貫性の結果としてトラブルをもたらす場合があります。
- スプリングのプロパティでは、負のひずみに対しては負の力、正のひずみに対しては正の力である必要があります。そうでない場合、スプリングは計算の間にエネルギーを生成します。
- 非線形スプリングで接線剛性が負の場合、特に勾配が負のゾーンで振動し不安定を引き起こす危険性があります(エネルギー誤差が正になり増加することがあります)。
- 曲線の最大勾配(つまり最大剛性)が初期剛性よりも大きい場合、最大勾配のゾーンでの除荷が誤ったものになります (モデル化のツール)。
ビームの一貫性
ビームの仮定長さ / 深さ > 10に加え、一貫したビームの定義には以下が推奨されます:
(3)
インターフェースの交差と貫通
メッシュの初期貫通は非現実的な結合を生成します。加えて、これはロッキング状態を引き起こし、計算が失敗に終わることになります。
初期貫通はインターフェースギャップ定義によるものです。これは、非現実的で制御できない内力を引き起こし、結果として計算の最初で局所的な塑性ひずみを発生させる場合があります。構造はそのため局所的に剛性が低くなります。
Altairプリプロセッサーツールを交差と初期貫通を検知し削除するために用いることができます。初期貫通を多く含むモデルは有効であると考えることはできません。修正の後、いくつかの初期貫通が残っている場合、フラグInacti=1を/INTER/TYPE7でアクティブにすることができます。この場合、初期貫通している節点のインターフェース剛性は非アクティブになります。
小さな初期貫通のみが残っている場合(ギャップの5%未満)、時間での可変ギャップをフラグInacti =5の設定により用いることができ、これはInacti =1よりも優れています。
剛体定義
推奨事項を以下に挙げます:
- 剛体のメイン節点にメッシュの節点を使用しない
- 2つのセカンダリ節点により作成された剛体は球状慣性フラグ(/RBODYでのIspher =1)を必ず使用
- 剛体のメイン節点はRadioss Starterでの剛体の初期化で動く可能性があることを考慮
大部分の剛体定義の問題は、Altairプリプロセッサーツールを用いて検知、修正が可能です。
運動条件の非適合
非適合条件は、オプション /PARITH/ONが用いられている場合でも、全エネルギーの増加と並列計算での結果の非再現性の問題を引き起こす可能性があります。Radioss Starterは、非適合条件の可能性を検知します。これはユーザーによって掌握する必要があります。
並列計算
オプション/PARITH/ONは、マルチプロセッサでは必ず使用します。これが無いと、問題の再現が困難になり、起きたり起きなかったりとなる可能性があります。
コメント
- Inacti =1の使用はモデルを柔らかくします。
- 自由節点をインターフェースに入れてはいけません。インターフェース定義におけるサーフェス選択は、シェルとソリッド要素(またはパート)のみで行われ、節点は使用しません。