シェル要素の使用時に、ひずみの時刻歴出力(RunnameT01)とアニメーションファイルを要求しましたが、値は0のままです。なぜですか?
ひずみテンソルはデフォルトでは計算されません。Radioss入力ファイル(Runname_0000.rad)の中でオプション/DEF_SHELLまたはシェルプロパティセットで、フラグIstrain(ポスト処理でひずみを計算するフラグ)を1に設定することにより、要求する必要があります。
一方、/MAT/LAW25 (COMPSH)および/MAT/LAW27 (PLAS_BRIT)では、ひずみテンソルは常に計算され、利用可能です。
シェルまたは3節点シェルのグループで、時刻歴に関して/ANIM/ELEM、BRICKまたはSHELL/EPSD、および変数EPSDを使用しています。ひずみ速度の出力を要求しましたが、ポストプロセッサでは値は0のままです。何故ですか?
ひずみ速度フィルタリングをアクティブ化する必要があります(Fsmooth =1)が、これはほとんどの材料則では使用可能ではありません(使用できる材料則もあります)。
材料則でひずみ速度のフィルタリング(または“スムーズ化”)が許可されていなければ、これらの出力は得られません。一方、Fsmooth =1およびFcut =1.E+30を使用すると、これらすべての材料則でひずみ速度をフィルタリングせずにこれらの出力を得ることができます(実際にはフィルタリングはアクティブ化されていますが、カットオフ周波数が非常に高いため、フィルタリングはまったく行われません)。
場合によっては、ひずみ速度のフィルタリングが要求されていなくても(Fsmooth =0)、出力が利用可能なこともあります。
この変数EPSDは、シェル要素の場合は、アニメーションと時刻歴の両方で利用できます。ソリッド要素については、アニメーションにのみ利用できます。
シェル要素のひずみ速度のANIMファイルまたは時刻歴ファイルへの出力
表 1. 3節点と4節点のシェル要素
材料則 |
V51で利用可能? |
V90で利用可能? |
LAW2 |
どの場合も |
どの場合も |
LAW15 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW25 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW27 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW36 |
どの場合も |
どの場合も |
LAW44 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW48 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
ソリッド要素のひずみ速度のANIMファイルへの出力
表 2. ソリッド要素
材料則 |
V51で利用可能? |
V90で利用可能? |
LAW2 |
どの場合も |
どの場合も |
LAW36 |
どの場合も |
どの場合も |
LAW44 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW48 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
LAW50 |
Fsmooth=1の場合 |
Fsmooth=1の場合 |
シェルに対して積分点を使用する場合、アニメーションファイル内の応力SIGX
、SIGY
、およびVONM
は何を表していますか?
アニメーションファイル内の応力SIGX
、SIGY
などは、シェル要素の板厚を通した平均応力を表します。VONM
応力は、これらの平均応力SIGX
、SIGY
などに適用されるフォンミーゼス基準を表します。同様に時刻歴内の応力F1、F2、F12、Q1およびQ2はこれらの平均応力に対応しています。
/ANIM/ELEM/EPSPの使用時、異なる要素タイプを使った際にどの値が出力されますか?
/ANIM/ELEM/EPSPは、要素の塑性ひずみを出力します。
- 3次元ソリッドの場合
異なる積分点の相対体積を用いて計算された平均値です。
- 2次元ソリッドの場合
/ANIM/ELEM/EPSPは2次元ソリッド要素には使用できません。値は出力されません。
- シェルの場合
- 中央積分点における塑性ひずみが出力されます。偶数の積分点が要求されると、N/2 + 1の積分点が出力されます。
- Ishell=12(QBAT)要素定式化を用いた4節点シェル要素の場合、中央積分点4つの平面内Gauss点のEPSPの平均値が出力されます。
- 上側および下側の積分点での塑性ひずみ結果を得るには、/ANIM/SHELL/EPSP/Keyword4の使用が推奨されます。特に曲げにおいては、中間層の塑性ひずみは外側の積分点よりも小さくなります。
- ビームの場合
異なる積分点の相対面積を用いて計算された平均値です。
アニメーションファイルへの/ANIM/ … /ENERの出力は何ですか?
単位質量あたりの比エネルギーです。
アニメーションファイルへの/ANIM/ … /HOURの出力は何ですか?
単位質量あたりのアワグラスエネルギーです。
QEPH定式化(Ishell=24)でのシェル要素の使用時に、パートおよびサブセットのアワグラスエネルギーが時刻歴内で0になりません。なぜですか?
時刻歴内でSUBSETまたはPARTを見ると、アワグラスエネルギーは0ではありません。
これは、数値減衰により吸収されるエネルギーがここに出力されるためです。つまり出力では、アワグラスエネルギーの場所を使用してこの粘性エネルギーが表されます。
粘性エネルギーは、QEPH(Ishell =24)、QBATおよびDKT18(Ishell =12またはIsh3n =30)を使用するシェルプロパティに対する係数dnに関連しています。
アワグラスの物理的安定化に対応するエネルギーは、この定式化の内部エネルギーと見なされます。
/ANIM/GZIPを使用してアニメーションファイルを読み込むことができません。なぜですか?
このオプションでは、GnuツールのGZIPを使用します。GZIPは通常、Linuxで使用できます。Radiossが実行されているマシンにGZIPが正しくインストールされていることを確認してください。Windowsでは、 GZIPはHyperWorksインストレーションと共に含まれます。
EPSP出力における/ANIMと/OUTPの違いは何ですか?
Runname_nnnn.styファイルには膜値と最大値(板厚を通した積分点に対する)の両方が含まれますが、Annnファイルには膜値のみが含まれます。
計算の実行中にアニメーションファイルを増やす(または減らす)ことは可能ですか?
はい、データディレクトリ内のコントロールファイルに書き込むことにより、アニメーションファイルを書き出せます。
実行番号nn(Radioss Engine入力ファイルの/RUN/Runname/nn)については、プロセス/ANIM付きでファイルRunname_nn_0000_[C].rstを書き込む必要があります。
この時点で、Radioss Engineがアニメーションファイルを書き出します。
コントロールファイルで指定可能なその他のオプションについては、コントロールファイル(C-ファイル)ファイルをご参照ください。
アニメーションファイルの書き出し頻度を変更するには、コントロールファイル(オプション/STOP)を使用して、RESTARTファイルの書き出し中にRadioss計算を停止する必要があります。その後、アニメーションファイルの書き出しに対して別の頻度を指定して、2つ目の実行をチェーン実行することができます。
破壊の伝播を把握するため、削除された要素をプロットするにはどうしたら良いでしょうか?
HyperViewでメニューを選択し、Eroded Elementsを表示します。
これが、破壊の伝播の把握に役立ちます。
一般化した応力テンソル/ANIM/SHELL/TENS/MEMBおよび/ANIM/SHELL/TENS/BENDはどのように計算されますか?
一般化した膜および曲げ応力テンソルは、それぞれの面(層)について変形、シェル要素の曲げの挙動、および材料則に従って計算されます。
シェルプロパティ
/PROP/TYPE1 (SHELL)または
/PROP/TYPE9 (SH_ORTH)について:
- グローバル積分(N=0)の場合
正確な計算は一般化したひずみテンソルから行われ、結果は以下に対応します:
(2)
- 板厚を貫通する複数の積分点(N > 0)の場合
一般化した応力(
)は各面(層)について計算され、定義された重量(板厚を通る位置と相対板厚を含む)に従って積分されます。
(3)
膜応力テンソル(
)に対する重量の計算
ポイント数 |
|
1 |
1.0000 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2 |
0.5000 |
0.5000 |
|
|
|
|
|
|
|
|
3 |
0.2500 |
0.5000 |
0.2500 |
|
|
|
|
|
|
|
4 |
0.1667 |
0.3333 |
0.3333 |
0.1667 |
|
|
|
|
|
|
5 |
0.1250 |
0.2500 |
0.2500 |
0.2500 |
0.1250 |
|
|
|
|
|
6 |
0.1000 |
0.2000 |
0.2000 |
0.2000 |
0.2000 |
0.1000 |
|
|
|
|
7 |
0.0833 |
0.1667 |
0.1667 |
0.1667 |
0.1667 |
0.1667 |
0.0833 |
|
|
|
8 |
0.0714 |
0.1429 |
0.1429 |
0.1429 |
0.1429 |
0.1429 |
0.1429 |
0.0714 |
|
|
9 |
0.0625 |
0.1250 |
0.1250 |
0.1250 |
0.1250 |
0.1250 |
0.1250 |
0.1250 |
0.0625 |
|
10 |
0.0556 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.1111 |
0.0556 |
曲げ応力テンソル(
)に対する重量の計算
ポイント数 |
|
1 |
0.0000 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2 |
-0.0833 |
0.0833 |
|
|
|
|
|
|
|
|
3 |
-0.0833 |
0.0000 |
0.0833 |
|
|
|
|
|
|
|
4 |
-0.0648 |
-0.0556 |
0.0556 |
0.0648 |
|
|
|
|
|
|
5 |
-0.0521 |
-0.0625 |
0.0000 |
0.0625 |
0.0521 |
|
|
|
|
|
6 |
-0.0433 |
-0.0600 |
-0.0200 |
0.0200 |
0.0600 |
0.0433 |
|
|
|
|
7 |
-0.0370 |
-0.0556 |
-0.0278 |
0.0000 |
0.0278 |
0.0556 |
0.03 |
|
|
|
8 |
-0.0323 |
-0.0510 |
-0.0306 |
-0.0102 |
0.0102 |
0.0306 |
0.0510 |
0.0323 |
|
|
9 |
-0.0286 |
-0.0469 |
-0.0313 |
-0.0156 |
0.0000 |
0.0156 |
0.0313 |
0.0469 |
0.0286 |
|
10 |
-0.0257 |
-0.0432 |
-0.0309 |
-0.0185 |
-0.0062 |
0.0062 |
0.0185 |
0.0309 |
0.0432 |
0.0257 |
層によって定義されるシェルプロパティ/PROP/TYPE10 (SH_COMP)、 /PROP/TYPE11 (SH_SANDW)、/PROP/TYPE17 (STACK)の場合
一般化した応力(
)は各層について計算され、相対積層板厚(積層板厚 / 全板厚)と層zの位置(z: -0.5 < z < 0.5)に従って積分されます。
(4)
注:
- N=1は、膜要素を定義します。曲げ応力テンソルは0です。
- 完全積分要素シェル(Ishell=12)については、各面(層)の応力テンソル出力は、4つのGauss点の平均値です。
- プロパティ/PROP/TYPE51については、板厚を通したいくつかの積分点は各層について定義され得ます。一般化した応力の計算は、積層定式化(/PROP/TYPE51)を通して選択された分布と層の位置を用いた板厚(z)を通した異なる高さと積層により定義されたシェルプロパティによって計算されます。
- シェル板厚を通した積分点
|
積分点の数 |
積分点の分布 |
層数 |
/PROP/TYPE1 |
N (
)
|
Lobatto積分スキーム |
- |
/PROP/TYPE9 |
N (
)
|
Lobatto積分スキーム |
- |
/PROP/TYPE10 |
層毎に1 |
中間層 |
N (
)
|
/PROP/TYPE11 |
層毎に1 |
中間層 |
N (
)
|
/PROP/TYPE16 |
層毎に1 |
中間層 |
N (
)
|
/PROP/TYPE17 |
Npt_ply (/PROP/TYPE19の) (
)
|
均一積分スキーム |
Pply_IDi (
)
|
/PROP/TYPE51 |
Npt_ply (/PROP/TYPE19の) (
|
Iint=1: 均一積分スキーム
Iint=2:
Gauss積分スキーム
|
Pply_IDi (
)
|
Gauss積分スキームおよびLobatto積分スキームの位置と重量については、Theory Manualの“Integration points throughout the thickness”をご参照ください。