RD-E: 2202 ALEを用いた着水(単一ドメイン)

ALEアプローチを用いてシミュレートされた単純な試験体の水への衝突。

問題は単純な試験体の水の中への落下から成り、ヘリコプターの着水をシミュレートします。

使用されるオプションとキーワード

入力ファイル

本例題で使用される入力ファイルは下記のとおり:

<install_directory>/hwsolvers/demos/radioss/example/22_Ditching/Ditching_Mono_Domain_ALE/*

モデル概要

単位: mm, ms, KN, GPa, kg

三角形の試験体の水上への衝突が実行され、結果は質的に2と共に、また、Politechnico di Milanoにより得られた実験データとも比較されます。 1

比較は3.5 m/sと11 m/sの複数の衝突速度で実行されます。

試験体に用いられる材料は線形弾性材料則(/MAT/LAW1)に従い、以下の特性を持ちます:
材料特性
初期密度
7.8 x 10-6 kg.mm-3
ヤング率
206.9 GPa
ポアソン比
0.3
水の材料則は、BIPHAS則(/MAT/LAW37)で以下の特性を持ちます:

rad_ex_22_law37
図 1. 問題のデータ

モデリング手法

試験体はシェル要素を用いて平均メッシュサイズは15 x 15 mm2です。計算を単純化するため、それらはそのメイン節点に加速度計がある剛体に入れられます。

水は15x15x15 mmメッシュの全部で166023要素でモデル化されます。

空気はBIPHASで以下の特性でモデル化されます:
#            Psh
               0   
#          RHO_L              CL       ALPHA_L         NU_L     LAMBDA_ON_RHO_L
            1e-6           2.089             0       .00089                   0
#          RHO_G           GAMMA            P0         NU_G     LAMBDA_ON_RHO_G
         1.22E-9             1.4         .1e-3      .014607                   0
境界条件が次のようにプールに与えられます:
  • 上下面はZ方向成分を拘束
  • Y軸に直交する側面はY方向変位を拘束
  • X軸に直交する側面はX方向変位を拘束

インターフェースTYPE18がLagrangeメッシュのソリッド(プリズム)と流体(プール)の間の接触の取り扱いのために定義されます。プリズムの2面がメインで、プールの節点(空気と水)がセカンダリです。

インターフェースTYPE18の力はペナルティ法で計算されます。インターフェース剛性は衝突速度に比例します。ALEアプローチで得られる結果はインターフェースの剛性係数Stfacに強く依存し、これは要素サイズと流体の特性の関数として調整される必要があります。

結果

インターフェースTYPE18の力はペナルティ法で計算されます。力はキャリブレートされる必要がある剛性ファクターStfacに比例します。図 2 以下のグラフは結果(加速度計での加速度)のメッシュとStfacへの依存性を示します。

fig_22
図 2. 粗いメッシュでの高いピーク力とインターフェース剛性への依存性
粗いメッシュでより高いピーク力が得られます。これは図 3に示すようにフィルタリングにより部分的に修正されます。

fig_22.2-3
図 3. 粗いメッシュと細かいメッシュでの結果のフィルタリング
フィルターCFC 60 -3 dBを用い、ALEとSPHアプローチを用いた結果がVon Karmanの理論解と実測結果と図 4で比較されます。

fig_22-2-4
図 4. シミュレーション結果、理論解と実測結果の比較(加速度)

SPHとALEアプローチはそれぞれ最大加速度83gと84gを与えます。しかしながら、Von Karmanの理論解は82gで、実測による最大値は83gと73gの間です。

その一方で、40gを超える加速度の継続時間は、SPHとALEの各シミュレーション方法についてそれぞれ7.9 msと8.2 msですが、実測値は7.5 msと8.5 msの間であり、Von Karman理論では8 msです。
注:
  • SPHとALEの両方のアプローチの計算時間は同程度です。
  • 十分なメッシュを用いてのRadiossのSPHとALEの両方の方法は実験や理論解と比較して、満足のいく結果でした。
  • SPH信号が高く振動するのに対して、ALEアプローチはよりロバストで安定性があります。
  • ALEアプローチでの粗いメッシュの使用はインターフェース剛性のキャリブレーションを必要とします。