計算空力音響(CAA)シミュレーション
- 外部の風騒音が構造を通して内部に伝達: 自動車産業では、ピラー、サイドミラーやウィンドシールドのワイパーノイズがこのカテゴリーの典型的な問題です。
- 内部の流体騒音が構造を通して外部に伝達: この問題のタイプの例題として、エギゾースト、HVAC、インテークノイズなどがあります。
- 回転機械騒音: 軸周りと遠心分離ファンは騒音の出る部品で、検討対象となる多くの空気-音響問題をもたらします。
ここでは、CAAへの適用に対してどのようにして正しいALE/CFDモデルを生成するかを示すことを目的としています。障害物の周りを空気が通り過ぎる場合を考えます。このシミュレーションの目的はメッシュの任意の位置でこの流れによって生成される騒音を測定することにあります。
出力
生成された騒音のポスト処理の能力は時刻歴を記録する出力要素の定義に依存します。騒音が計算される位置でこれらの要素は選択されるべきです。
系の一連の要素と節点が時刻歴出力ファイルに保存されます。それぞれの要素と節点に記録された信号はSPLマップを決定し、音源のパワーレベルを評価するためにFFTで分析することができます。
系の異なるパートと剛体の時間変化を保存することも可能です。
Radioss CAAモデル化の方法
- メッシュ生成を用いてRadiossモデルを生成し、解析のためのRadioss独自のオプションを導入します。
- モデルで最初のシミュレーションを一様な初期速度場から '準-定常' 状態に達するまで計算します。これは時刻歴でモデルの運動エネルギーを見ることによりチェックできます。
- 2回目のシミュレーションの間、騒音が分析される位置での領域の信号を記録します。
この2つのシミュレーションは1つにまとめることも可能です。主眼点は、モデル全体が定常状態に達する前の時間領域の信号は記録されないように確認することです。
- シミュレーションの実行に必要なメモリは(ワード単位で) ~ 100*Nelts + 6*Numnod*8*Nprocsが並列で用いられます。
- 時間ステップは音速とメッシュサイズにより支配されます。
(1) ここで、- 音速(空気中で、 =344m/s)
- 局所的な流束
- 収束性はケースに依存しますが、概略、考慮する最小周波数の2から3周期後に得られると考えられます。
- 周波数の解像度は@Tファイルの 1/(記録時間) で、従って、記録時間には1/Fminが必要です。
- サンプリング記録時間> 4.fmaxである必要があります。
- およそ最小波長あたり6はモデル中にある必要があります。(遠い場所で、=c/f、音源近くでu/f)。
- /DT/SHELL/CST
- (スケールファクター)(限界時間ステップよりも大きい時間ステップ)
- /DTIX
- (初期時間ステップ)(最大時間ステップ)
このケースでは、有効な限界時間ステップよりも小さい時間ステップを初期と最大時間ステップの両方に与える必要があります。
Nyquist周波数より上の高周波数カットオフが離散Fourier変換の周波数の折り返しを避けるために実行されます。数値フィルタリングが古典的な線形位相フィルターの係数を用いて実行されます。
そのサンプリング周波数が用いられているかに関係なく、周波数の解像度は物理時間の継続の逆数になります。周波数間隔[fmin,fmax]に対し、シミュレートされる時間Tは1/ fminより大きい必要があり、またサンプリング周波数fsは4*fmaxより大きい必要があります。RadiossはN=fsを生成します。 T サンプル、Tを選択する必要があります(これ以降の高速フーリエ変換に対して、N=2nとなるように)。
10000 Hzがエギゾーストノイズ解析に対する典型的なサンプリングの値です。
- 係数の数: 1320
- ベースの計算周波数 fc = 1/dtc = 2.22 10^6 Hz(dtcは限界時間ステップ)
- 出力のサンプリング周波数 fs = 10040 Hz
- Nyquist周波数またはカットオフfcut= 5020 Hz

図 1. フィルタリングの例