自動化の用語

自動化スクリプトを作成する際に理解しておく必要がある自動化の用語について説明します。

Lua
スクリプト言語として設計された軽量なマルチパラダイムプログラミング言語。CADFEKOPOSTFEKOも、Lua言語を基本とするスクリプトインターフェースを備えています。
API
Fekoアプリケーションプログラミングインターフェース(API)では、Fekoの各種アプリケーションへのアクセスとその制御に使用する名前空間、オブジェクト、メソッド、および関数を定義しています。
ハンドル

ハンドルは、オブジェクトを参照する変数です。オブジェクト自体を参照する代わりに、ハンドルを使用してオブジェクトを参照します。

オブジェクト
オブジェクトは、オブジェクト指向プログラミング言語で使用するエンティティであり、主要な2つの特性として状態と動作を備えています。オブジェクトの設定はそのオブジェクトのプロパティに保管され、オブジェクトの機能にはメソッドを通じてアクセスします。
app
アプリケーションは、CADFEKOまたはPOSTFEKOのどちらかです。
cf / pf / feko
各アプリケーションは、そのすべてのオブジェクトとプロパティを1つのグループにまとめた“名前空間”を備えています。CADFEKOの名前空間はcfPOSTFEKOの名前空間はpfです。これは、すべてのオブジェクト、静的関数、およびネストした名前空間には、そのアプリケーションの名前空間を通じてアクセスできることを意味します。たとえば、cf.GetApplication()は、cf名前空間でGetApplication()静的関数を呼び出します。複数のアプリケーションで共有する関数を使用できるように、共通の名前空間fekoも定義されています。
プロジェクト
プロジェクトとは、ユーザーの作業対象となる特定のCADFEKOモデルです。たとえば、patch_antenna.cfxはプロジェクトです。
Note: APIとしてのprojectCADFEKOに固有です。
タイプ

各オブジェクトにはタイプがあります。Luaでサポートされている標準のタイプとして、数値、ブーリアン、文字列、テーブル、関数、ユーザーデータ、およびnilがあります。CADFEKOまたはPOSTFEKOで作成したオブジェクトはtypeプロパティを持つことが普通です。

コレクション
collectionは、複数のオブジェクトを収めることができる特殊なオブジェクトです。たとえば、複数の給電源、遠方界、形状パートなどを収めることができます。コレクションに属するアイテムを参照するには、必ずインデックスで指定する必要があります。たとえば、farfield[1]farfield[“FarField”]のように指定します。
列挙

列挙型リスト(enum)はオプションの一群です。グラフィカルユーザーインターフェースでは、ドロップダウンボックスやラジオボタングループにグループ化されたオプションに、列挙型リストのオプションが対応しています。ユーザー側では、このオプションリストを変更できず、いずれかのオプションを選択する必要があります。

列挙の例:
  • Create dielectric mediumダイアログでは、Definition methodに対して、リストからFrequency independent、Debye relaxation、Cole-Cole、Havriliak-Negami、Djordjevic-Sarkar、またはFrequencyのいずれかのオプションを選択します。

  • Create meshダイアログでは、Mesh sizeに対して、Fine、Standard、Coarse、またはCustomのいずれかのオプションを選択します。

メソッド
methodは、特定のオブジェクトを対象として機能する関数です。メソッドを呼び出すには、そのメソッドの所属先オブジェクト名の後に“:”を挟んでメソッド名を指定します。たとえば、Cuboid:ConvertToPrimitive()は形状のプリミティブ基本形式でその形状を返し、farField:Duplicate()は重複する遠方界解析エンティティを返します。CuboidfarFieldはオブジェクト名、ConvertToPrimitiveDuplicateはメソッド名です。
Note: cf.の末尾には、“:”ではなく“.”を使用します。
静的関数
static functionは、どのオブジェクトにも関連付けられていない関数です。一方、メソッドは特定のオブジェクトを対象として機能します。静的関数を呼び出すには、“.”を使用します。
Note: cf.の末尾には、“:”ではなく“.”を使用します。
たとえば、cf.Cuboid.GetDefaultProperties()は、立方体のプロパティテーブルを作成する静的関数です。cf.GetApplication()は、アプリケーションオブジェクトを返す静的関数です。