チュートリアル:板厚の最適化

板厚最適化を実行して結果を確認します。

このレッスンでは、以下を行います。
  • 複数パートのブラケットアセンブリのベースライン解析を実行し、結果を表示する
  • 設計領域の定義と板厚の最適化の実行
  • 板厚最適化の結果の確認
  • 最適化形状の再解析の実行と結果の比較


概要

板厚の最適化は、パートの最適な板厚を求めます。これは、アセンブリの質量を最小化する際に最適なアプローチです。また、変位制約などの現実的な設計拘束を使用する際の剛性や周波数の最大化にも使用できます。板厚最適化は、サーフェス形状で定義されたパートにのみ利用可能です。

このチュートリアルでは、ベースライン解析を実行し、一般的な複数パートのブラケットの設計領域における板厚最適化を実行します。

ベースラインモデルの解析

モデルを開いて、内容を確認し、ベースライン解析を実行します。

最適化のセットアップを行う前にモデルの解析を行うことにより、制約やその他のパラメーターが適切かどうかを把握する判断基準となります。

  1. F7キーを押してデモブラウザを開きます。
  2. fabricated_gauge.stmodファイルをダブルクリックしてモデリングウィンドウにロードします。
    このファイルには、2つの荷重ケース、5つのパート、1つの集中質量、6つのマウント位置が含まれます。


  3. 単位系セレクターの表示単位がMPA(mm t N s)に設定されていることを確認します。
  4. 構造リボンの解析アイコンにある解析の実行 をクリックします。


  5. 解析の実行ウィンドウのオプションを以下に示すように設定します。


  6. 要素サイズ1.5 mmに変更します。
  7. スピード/精度が速いに設定されていることを確認します。
  8. 実行をクリックし、解析を実行します。

ベースライン解析の結果をレビューする

  1. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。


  2. 結果タイプに変位を選択し、2つの荷重ケースの最大値をメモします。
    これらの変位はチュートリアルでは使用しませんが、最適化実行時には制約として使用することができます。


  3. 注釈の下の注釈の作成、表示、非表示 ボタンをクリックし、ポイント1の位置に注釈を配置します。


  4. 解析エクスプローラを閉じます。

設計領域を定義する

次に、最適化のための設計領域を設定します。

  1. モデルブラウザで、Ctrlキーを押しながらリアパート、アッパーパート、スティフナーパート選択します。


  2. モデルブラウザで選択したパートを右クリックし、コンテキストメニューから設計領域を選択します。
  3. モデリングウィンドウ内の空白領域をクリックします。
    設計領域は以下のようになります。


板厚最適化を実行する

  1. 構造リボンの最適化アイコンにある最適化実行 をクリックします。


  2. 最適化の実行ウィンドウのオプションを以下に示すように設定します。


  3. 最適化のタイプに板厚を選択します。
  4. 最適化の目標に質量の最小化を選択します。
    注: 最適化の実行ウィンドウのオプションは選択されているタイプと目標によって異なります。ここでは、板厚の最適化の実行を行うため、板厚最適化の設計変数として使用できる5つのシート設計領域用の板厚オプションがあります。各設計領域には、現在の最小および最大板厚が表示されており、この値は自由に変更することができます。最小および最大板厚のデフォルトは、現在の板厚の+/- 20% です。
  5. 要素サイズ4.5 mmを設定します。
  6. すべての設計領域に対し、板厚の最小2.0 mm最大6.0 mmに設定します。
  7. 応力制約で、最小安全係数1.5に設定します。
  8. 実行をクリックします。

形状比較での結果表示

  1. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を形状比較で表示します。


  2. パートの板厚結果を表示します。
    各板厚には、凡例で示す各色が割り当てられています。
  3. パートの板厚プルダウンメニューで比率を選択し、板厚結果を比率で表示します。
    この表示では、板厚の変更比率に応じて色分けされた結果となります。


  4. また、形状比較の一番上に表示されている設計領域に切り替えと板厚最適化の結果とを切り替えることで、各設計領域の質量と最適化された形状の質量をモデルブラウザ内で比較確認することもできます。
    注: モデルブラウザ内に質量を表示するには、ブラウザのタイトルバーを右クリックし、質量を選択します。

最適化された形状の再解析と結果の比較

  1. 最適化形状を解析するには、形状比較の解析ボタンをクリックします。


  2. 実行が終了したら、実行名をダブルクリックして結果を表示します。
  3. 結果タイプに変位を選択し、2つの荷重ケースの最大値が増えていることを確認します。
    これは、設計制約として最小安全係数1.5を使用したためです。(変位の値を変更したくない場合、変位制約を設定し別の結果を作成することもできます。)


  4. 結果の比較ボタンをクリックし、解析エクスプローラ上に比較表を表示します。


  5. 各解析の質量トータル最大変位を比較します。
    2つの荷重ケースにおける最適化後の解析結果とベースラインを比較し、応力制約を満足すると同時に板厚の最適化による質量の削減が実現されていることを確認します。