質量の最小化

質量の最小化は、いくつかある最適化の目標の1つであり、トポロジー、板厚およびラティスの最適化で実行できます。

トポロジー最適化のための質量の最小化

トポロジーの最適化の実行時に、設計領域の質量を最小化すると、形状は、加えられる荷重を支えることができる範囲で最小の重量に軽量化されます。最適化目標として質量の最小化を選択した場合、以下のうちの1つ以上を指定する必要があります。
  1. 応力制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用し、安全係数で指定します。
  2. 振動数制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用します。
  3. 変位制約 – 変位制約ツールを使用して適用します。
    注: 最適化が完了すると、質量を最小化する最適な結果は、通常、形状比較のトポロジースライダーを右端にドラッグすると得られます。

板厚最適化のための質量の最小化

板厚最適化実行時に、設計領域の質量を最小化すると、質量を最小化するためにパートの板厚が変更されます。最適化目標として質量の最小化を選択した場合、以下のうちの1つ以上を指定する必要があります。
  1. 応力制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用し、安全係数で指定します。
  2. 変位制約 – 変位制約ツールを使用して適用します。
  3. 振動数制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用します。

ラティス最適化のための剛性の最小化

ラティスの最適化の実行時に、設計領域の質量を最小化すると、形状は、加えられる荷重を支えることができる範囲で最小の重量に軽量化されます。最適化目標として質量の最小化を選択した場合、以下のうちの1つ以上を指定する必要があります。
  1. ラティス – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用します。
  2. 応力制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用し、安全係数で指定します。
  3. 振動数制約 – 最適化の実行ウィンドウを使用して適用します。
  4. 変位制約 – 変位制約ツールを使用して適用します。

例1:応力制約に従った質量の最小化

以下に示したオートバイのブラケットは、最小安全係数で定義した応力制約に従って質量を最小化することによって、最適化されています。安全係数を増やすと、加えた荷重に耐えられるように、さらに多くの材料が必要になります。


図 1. 元のモデル
図 2. 安全率1.2での応力制約
図 3. 安全率2.0での応力制約

例2:応力制約と変位制約に従った質量の最小化

変位制約を適用すると、元の位置から指定した距離以上変位しないように、モデル上の特定のポイントを制限できます。以下の画像の例では、オートバイのブラケットのフットレストに対して、応力制約に加えて変位制約を適用しています。フットレストで許容できる変位を減らすと、最適化形状は、変位に耐えられるようにさらに多くの材料を必要とします。


図 4. フットレストでの2 mmの変位制約
図 5. フットレストでの1 mmの変位制約
注: 変位制約を使用する場合、同時に応力制約を適用することをお勧めします。変位制約を単独で使用すると、最適化に偏りが生じ、領域が不連続な結果が得られることがあります。この様子を、以下の1番目の画像に示します。
図 6. 応力制約を伴わないフットレストでの2 mmの変位制約
図 7. 応力制約を伴うフットレストでの2 mmの変位制約